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file6-1 実験室 [同調(シンクロ)]

File6-1 実験室
 白い壁、天井には手術用照明が煌々と点いている。窓ひとつない部屋。時折、呻き声が響いていた。
可動式の椅子が3つ並んでいる。手と足を乗せる部分には、太いベルトが取り付けてあった。椅子には、若い女性が全裸で座らされ、両手には点滴の繋がれたチューブ、更に、頚部の後ろにも何本かチューブが付いていた。ほとんど意識のない状態で、床には、女性の流した血液や体液などが広がっている。

「そろそろ、こっちのは無理かしら?。」
マスクと白衣で全身を覆った、医師と思われる人影が近づいて、顔や肌をじっと見て呟いた。そして、横の機械についている小さな瓶を見ていた。中には、僅かにピンク色の液体が溜まっていた。
「色もくすんできているし、この量じゃあ、どうかしら。」
機械のスイッチを一つつまんでひねってみた。少し、ビクッと体が動いたがすぐに静かになった。もう1回ひねったが、やはり同様の反応で静かになった。
「もう限界ね。見切りをつけたほうがいいわね。」

もう一つの椅子にも、同様の状態にさせられた若い女性が座っていた。-ユウキだった。-
「こっちは、予想以上にいい成績ね。どう・・幸せを感じているかしら?」
そう言うと、チューブに繋がった機械のスイッチをひねった。
すると、ユウキの体がぶるぶると震え、目をうっすらと開いて、恍惚の表情を浮かべた。口を半開きにし、よだれも流している。下半身からは尿も垂れ流しているようだった。マスクをした人物は、ユウキの股部分を弄り、濡れたその部分を確認し、満足そうに笑みを浮かべた。
そして、機械についている小さな瓶に目をやってから、
「あなたは優秀ね。今までで一番の成績よ。このまま出し続けてね。」
そう言ってから、ユウキの頬を優しく撫でた。ユウキはまだ意識を完全に失っていない様子で、手が触れる感覚に怯えるような表情をした。
「ダメよ、そんな顔しちゃあ。ほらどう?」
また機会のスイッチをひねって見せた。
ユウキは、一瞬辛い表情を見せた後、先ほどと同様に、体をぶるっと震わせるとまた恍惚の表情を浮かべたのだった。
「ね、・・いいでしょう?絶えることなく続く快楽の中にいられるのだから、しっかり頑張ってちょうだいね。少しでも長く頑張ってもらわないとねえ。」
 
 拉致された若い女性は、ここで、特殊な薬品で強い快楽状態に身を置かれ、その状態で脳内に分泌される一種のホルモン液を抽出されていたのだった。先にもう命も絶え絶えになっている方は、半年近くこの状態に置かれていた。ユウキは、まだこの状態にされて数日が経過したところだった。
 
 マスクをつけた人物は、部屋を出ると、待ち構えていた手下と思われる男たちに向かってこう言った。

「そろそろ、一人、処分になるわ。明日にでも運び出してちょうだい。」
「しかし、あそこはもう使えません。どこか、処分先を探さないといけません。」
「そんな事知らないわよ。それは貴方たちの仕事でしょ。・・どこでも良いから、処分できるところ見つけてきてちょうだい。会長にでも相談してみなさいよ。」
「はい。わかりました。」
「ああ、それと、今度のは成績が良いわ。前のより3倍くらい取れてる。次も、ああいう子を見つけてきなさい。椅子は空いてるんだし・・・見つけてこれなければ、貴方に座ってもらうわよ。・・貴方たちだって、女の体のままなんだし・・・今のままじゃあ、快楽を得る事はないでしょ?どう、やってみない?」
そのマスクの人物は、うっすら淫靡な笑みを浮かべていた。
 
 そう言い終わると、手袋とマスクをダスターに投げ入れて、部屋を出て行った。
 通路から階段を登ると、そこは地下駐車場になっていて、駐車場の脇にある階段を更に上っていった。しばらくすると、先ほどの白衣を着替えて、艶やかなドレス姿になって平然とフロアに向かって行った。

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