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5日目①南彦根をスタート [琵琶湖てくてく物語]

いよいよ行程の半分に到達する段階。
今シーズンの「てくてく」は今回の5日目で前半終了。次は秋までお休み。
気合を入れて行きましょう!

3月1日、前回の反省を踏まえて、少し早めに家を出て、南回りで彦根へ向かう。
南彦根駅に着くまでの車中は、今まで歩いた道を振り返る会話だった。
10時半に南彦根へ着いた。目当ての駐車場に車を停めて、バス停へ向かう。時刻表を見ると、暫く待たないといけない。
「歩けばいいじゃん。」
妻の一言で、駅から歩き始めた。
前回の出発地点まで、Mapを確認すると約4㎞、1時間ほどかかる。
「まあ、いいか。」と歩き始めた。
スーパーや大型店舗が建ち並ぶ通りを過ぎ、住宅街へ。前回は気付かなかったが、通り沿いの家は新旧混在していた。
古めの家屋は門構えが立派で、樹木も植えられていて、小さいながらもしっかりした庭もある。一方、最近建てられた家は、機能性重視なのだろう。コンクリートで固められた敷地にカーポート、小さな花壇程度になっている。
住宅はその時の時代を残すタイムカプセルだ。
自宅周辺の散歩の時も、そうした時代の痕跡を見つけるのが好きである。
戦前から高度経済成長期までの家は、基本的に日本家屋。屋根には瓦が乗り、しっかりした門柱なども設えられていることが多い。だが、高度経済成長期に入ると、住宅不足が顕著になり、短時間で建設し、コストダウンを図ることが重視された家が多くなる。資材も大きく変わる。
60年代から70年代前半には、木造モルタル系の家や、新建材を貼り付けた家、屋根にはカラーベストが乗っている。マイカー時代を反映し、門柱が亡くなりカーポートが顔になっている。
最近は、エネルギー効率を考えた機能的な家が多くなり、大きなリビングを持つために間口の大きな家が多い様に思う。
ごく最近では、「リノベーション」が盛んで、古い日本家屋を改装し、機能性や熱効率も改善した形で、外見の美しさと室内の快適さの両方を満たしている家が増えているように思う。
住宅事業は総合産業と言われるが、なるほどと思うことが多い。その時代の基準やニーズ・技術などを詰め込み、設計する人や建築主の思いが込められている。
一見、ただの住宅地でも、こうした知識を持ってみていくと、その町の雰囲気は違って見えるし、楽しみでもある。
妻と歩きながら、家を見ながら、建てられた時期や住んでいる人の年代などを想像しながらの会話が弾む。
「私の家は、最初は小さな長屋みたいだったわ。部屋が三つ繋がっていて、一番奥に台所とお風呂。繋がった部屋は夜になると、家族6人の布団でいっぱいになった。狭い狭い家だった。姉の机が廊下に置かれていたの。」
不意に、妻が子どもの頃を思い出す。
「僕の家は、田舎の農家だから、土間があって竈があって、部屋は4つで、田の時に並んでいたかな。子ども部屋を増築したのは妹が生まれたあとだったはず。風呂は外で、水道はなかったから井戸水を汲んで五右衛門ぶろに運んだな。学校から帰ると、水を運ぶのが僕の仕事。」
同い年なのに、都会と田舎では住まいは随分違っていて、暮らし方も違うのが面白い。

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