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7日目⑦フォトスポット [琵琶湖てくてく物語]

野洲川を越え、守山市へ入った。
橋を渡り切ったところに、看板がある。「ビワイチよりみち」と書かれている。隣に「しあわせの丘」の看板もあった。それ以外の案内が見つからず、意味も解らず通り過ぎた。跡で、ここがビワイチのフォトスポットになっている事を知った。
そこから少しのところに、「もりやまフルーツランド」がある。立ち入ったことはない。ナシ・ブドウ・カキ直売所の看板も出ている。今は冬で当然、閉鎖されているに違いない。
それにしても、こういう直売所って、結構、「良いお値段」で販売していると感じるのは私だけだろうか。
産地で「直売」なら、物流費や市場手数料がないのだから、その分お安くても良いのではと思うのだが、スーパーよりも高いと思うことがほとんどだ。
勿論、収穫したての新鮮さは、スーパーでの販売では手に入らないのだから、高価でも当然なのかもしれないが、何だか、割り切れない感じがある。
私は、昔、農産バイヤーをやっていた。
市場流通において手数料や梱包費、輸送量、市場手数料などの中間経費や直接経費が余りにも大きい事には、生産者とともに憤りを感じたことはあった。ただ、遠くの産地から如何に鮮度を保持して消費者に届けようかと生産者や流通業者が協力して作り上げたシステムを一概に問題だとも思わない。
例えば、「さくらんぼ」で考えてみたい。
山形が主産地であるのは皆さんもご存じのはず。
サクランボは、梅雨時期に収穫される果物だが、実は、かなりデリケート。雨に当たらないよう、巨大な雨よけハウス(ゆうに10mを越える高さ)を作り、生育する。
熟度を上げないと酸味が強くて食べられないので、収穫農家は、旬になると毎日収穫に追われる。それからできるだけ短時間のうちに、選別し、小さなパックに綺麗に並べる作業が待っている。綺麗に並べるのは、見栄えを良くするためではない。サクランボは衝撃に弱く、すぐに実割れを起こす。実割れを起こすと、あっという間にカビが発生する。だからきれいに並べることが求められる。
農家は、短い旬のために、収穫からパック詰めまで短時間で行うため、アルバイトも雇っている。包装資材にもこだわり、人件費もかかる。
さらに、それを消費地(都市)へ輸送するには、「冷蔵車」が必須だ。蒸れは大敵。カビに繋がる。強い振動も禁物なので、高級種は「エアサス仕様」のトラックを使う。輸送コストは、他の野菜とはケタ違いになる。
市場でも、冷蔵保管し、小売りまで届ける「冷蔵チェーン」が確立しているところでないと難しいということになる。
これだけの作業にかかる費用を産地・農家は負担することになる。当然、高価な産物になるわけなのだが、市場流通では自分たちで価格は決められない。あくまで、競りで価格は決まる。大量に出荷されれば安くなり、少量なら高騰する。市場手数料はパーセンテージ。より高い価格をつけてもらわないといけない。さらに、農家は見栄えや鮮度を追及することになり、コストアップにつながっていく。
産地の直売では、農家(生産者)自身が価格を決める事ができる。自分で作った産物は、やはり他より良いものだという自負があり、安くは出来ない心情は理解できる。だが、消費者自身が労力と経費を払って買いに来るわけだから、当然、その分少しはお安く手に入って良いのではないかとも思う。
もりやまフルーツランドの直売所が、どういう値段で産物を販売しているかは全く知らず、見当はずれな事を言っているかもしれない。

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