SSブログ

10日目⑧ びわ湖バレイ [琵琶湖てくてく物語]

ここからしばらくの間は、湖畔に立つ別荘地を歩くことになる。別荘も様々だが、現在も使われているものは、ほとんど、ボートハウスがついている。大きなボートがそのまま、道路を横切って湖畔に出られるようになっているところがほとんどだった。バスボートではない。ほとんどがスポーツボートかクルージングボートだ。安くても500万円以上、おそらくどれも1千万円以上ではないかと思う。年間どれだけ使うのだろう。メンテナンス費用など、相当な額になるに違いない。30年以上前のバブルの時、こうしたレジャーが拡大したが、今もなお、富裕層には魅力的なお金の使い方なのかもしれない。こういうところを歩いていると、なんだか、無性に腹立たしく思えて仕方ない。私は器の小さい人間です。
八屋戸浜を過ぎ、野離子川を超える。まだまだ、別荘地は続く。
ようやく別荘地を抜けると、木戸川に架かる橋に着いた。
この川の上流に、びわ湖バレイロープウェイ乗り場がある。
「ねえ、あれってびわ湖バレイよね。」
妻は、また、あの勘違い事件を蒸し返そうとしている。
「ああ、そうだよ。間違ったところだよ。」
この会話は何度目だろう。
「びわ湖バレイ」には、少し恥ずかしい思い出がある。
まだ、こちらへの移住を決めていなかったころ、何気なく、琵琶湖周辺の観光情報を見ていた時、「山頂・百合園」の記事が目に入った。山の頂上一面が色とりどりのユリで埋め尽くされていた。平地とは違う時期の開花とあって、直近の休みを使って行くことにした。まだ、琵琶湖の地理に疎いころだった。豊橋から東名・名神で大津まで来て、琵琶湖西岸を北上。湖西道路を走っていると、左手の山にロープウェイがあるのが目に入った。きっと、あれが、「山頂百合園」に違いない。何の疑いもなく、「志賀ランプ」で降りて、旧道から琵琶湖バレイ駐車場へ向かった。駐車場からバスでロープウェイ乗り場へ。そこでようやく違和感を感じた。「百合」の文字はどこにもない。だが、駐車場料金も払ったし、このまま、帰るのは口惜しい。
「まあ、山頂に登れば眺めはいいだろうし、それも観光だ。」
ロープウェイ乗り場に行き、チケットを買う。
片道2000円、往復3500円。二人で7000円。ちょっと高いかな・・・。
チケットを貰って、乗り場へ行くと、かなりの長蛇の列。確かに、下の駐車場も車がいっぱいだったし、乗り場送迎バスの中も多かった。だが、こんなに並んでいてはかなり待つのかなと思っていると、思ったより大型のゴンドラがやってきた。
121人乗り、5分で標高1100mまで連れて行ってくれる。これなら、7000円は安いのか。
長打になった客は一気にゴンドラへ乗って、あっという間に、山頂駅に到着した。なんでも、日本最速のロープウェイらしい。
山頂からは、琵琶湖が一望できる最高の眺めだった。ロープウェイの駅から、さらにリフトを乗り継いで行けば、1174mの蓬莱山まで行ける。今は、この駅に隣接して、琵琶湖テラスができ、さらに魅力的になっているのだが、私たちが訪れたときはまだできていなかった。それでも、眺望だけで十分に満足できた。
それにしても、やはり「百合」は咲いていなかった。だが、誰かに訊くのもちょっと恥ずかしい感じがして、そのまま、降りてきた。
そこから、さらに北上してようやく、目指すべき「山頂・百合園」は、高島市の箱館山だと判った。だが、もう夕暮れ近くになっていて、今回は諦めることにした。
という、思い出があった。
滋賀県には、びわ湖バレイロープウェイ・箱館山ゴンドラ・八幡山ロープウェイ・賤ケ岳リフト・伊吹山リフトなどがある。狭いエリアの中でこれだけあるのも珍しいのではないかと思う。

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント