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11日目④ソーラー発電所 [琵琶湖てくてく物語]

話を「てくてく」に戻す。
ぐるりと回りこんで再び、湖西線沿いの道に出た。赤く塗られた歩道を歩く。湖畔側には、現代的なデザインの家が並んでいた。見事に別荘だとわかる。
次第に湖西線が離れていき、別荘地を抜けたところで、視界が広がり、大型の太陽光発電所が目に入ってきた。
ここもか・・という思いで見た。ここから先、高島市にかけて、あちこちにこれくらいの規模のソーラー発電所がある。その多くは、耕作放棄地だ。
環境問題の解決策として、再生可能エネルギーが推奨され、全国各地で、耕作放棄地が太陽光発電所に代わっていった。最近では、絵系不振になり倒産した「ゴルフ場」なども使用されているようだ。
「食料より電力」。こういう時代が来るとは思いもしなかった。
もちろん、石油は有限資源であり、輸入に頼らざるを得ないのはわかっていた。
私が幼いころから、そういう問題を扱ったテレビ番組や映画は数多くあったので、環境問題や資源問題には関心があるほうだろう。
特に、太陽光発電(ソーラー発電)は、1973年オイルショックを機にかなり関心を集め、21世紀にはエネルギーの主力になるだろうとも考えていた。私が想像していたのは、各家庭が自前のソーラー発電でエネルギー自給が進み、大企業なども、自社で発電するようになり、自動車はすべて電気自動車に置き換わるだろうと思っていた。
だが、そう簡単ではなかった。
国は、原子力発電推進に舵を切った。安全性の不安から起きる住民の反対運動を税金を使った補助金で解決し、全国に広げていった。それも大半は過疎にあえぐ地域が対象になった。だが、原子力は人類のコントロールできないレベルのエネルギーである。それをわかっていながら無責任に広げていった。
その結果、あの東日本大震災では、取り返しのつかない甚大な被害を生み出した。しかし、喉元過ぎれば・・という言葉通り、今、再び、稼働し始めている。
CO2を大量に排出する、石油・石炭資源を基にした火力発電の問題は解決できない問題であり、再生可能エネルギーの開発は、全世界で極めて重要な問題であると同時に、石油エネルギーに置き換えられるほどには進んでいない。
この先の未来、何があるのか。
太陽光発電も万能ではない。天候に大きく左右されるため、安定した電力の確保が課題であると同時に、近年では、老朽化し発電能力が低下し、廃棄されるときの環境負荷の問題も大きく取り上げられるようになってきた。
近年注目されている「水素エネルギー」についても、水素を作り出すための電力の問題は解決できていないように思う。
何か、この問題を突破する画期的な発見は生まれないものか。資源の発見ではなく、環境負荷がないクリーンエネルギーは存在しないのだろうか?

そんなことを考えながら、歩いていくと、小さな橋に出た。橋を越えたところで、川沿いに湖岸に向かう道があったので向かうと、北小松水泳場に出た。
時計を見ると、ちょうど正午になっていたので、ここで昼食とした。
朝、近江高島駅前にあるローソンで購入したおにぎりを食べる。こうやって、コンビニで買い物をして、手ごろな場所で食事をとるのも11回目になった。還暦を迎えようという夫婦が、湖岸に腰を下ろして、コンビニで買ったおにぎりを食べている。周囲からはどんなふうに見えているんだろう。

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