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1日目⑦マキノへ入る [琵琶湖てくてく物語]

ここからしばらく、湖岸道路(風車街道)を歩くことになる。今津浜水泳場、浜分沼を過ぎて、再び、湖畔の道路を歩く。暫くすると、桂浜園地に着く。ここで小休止。
桂浜園地は、秋の彼岸には、曼珠沙華(彼岸花)が咲き乱れる美しい所だ。ほぼ毎年、見に行くことにしている。いつの頃からか、真っ赤な彼岸花が好きになり、愛知県に居た頃も、あちこちの彼岸花を見て回った。突然のように咲く花がこの上なく好きだ。
子供の頃、祖母に「彼岸花の下には人の死体が埋まっているから近付くな」と脅されたことがある。おそらく、祖母は、彼岸花が持つ毒のことを教えるために行ったのだろうが、子どもだった私は、そんなはずはないと敢えて、彼岸花を見にいっては摘んできたものだった。田畑の畦に彼岸花が咲いているのは、偶然じゃなく、農作物を守るためだと聞いたことがある。彼岸花の根が持つ毒(アルカロイド)の成分で、モグラとかネズミとかから農作物を守っているらしい。
人の死体とは全く無縁なのは明らかだが、時々、山間部の何でもない斜面で彼岸花を見つけると、祖母の言葉を思い出す。ただ、殺人事件とかじゃなくて、昔の合戦で命を落とした武者がそこに埋まっているのではと思ってみるのだが・・
一休みをした後、いよいよラストスパート。残り、5km程度のはず。
11月は日暮れが早い。特に、この辺りは西に聳える箱館山が夕日を遮るので、急がなければいけない。
桂浜園地を出るとすぐに、貫川内湖(北湖・南湖)がある。バス釣りやヘラブナ釣りが良いらしい。冬になると、少し物寂しい。
さらに進む。
実は、高島に移住先を決めた時、初めは、この辺りで住居を探していた。妻も、この辺りの風景を気に入っていたのだが、なかなか物件が見つからなかった。
通り沿いにある「グリーンライフ」という不動産屋に飛び込んで、相談したのだが、湖岸沿いの物件はなかなか出ないとの事。
店主のT氏も、大津在住で、カヌーやSUPの趣味が高じて、琵琶湖畔に移住した方だった。器用な方で、実は、移住後の住宅の改修はこの方にお願いし丁寧に仕上げてもらった。
「1年とか2年とかのスパンなら見つかるかもしれません。それまで待てるなら探します。」と言われた。その時、出来れば、年内中に移住先を決めたかったので、その提案は飲めなかった。
「いっそ、土地を買って家を建てるというのはどうですか。」と再提案された。それも一つの方法かもと考えてみたものの、土地は安いが湖岸の土地は建築制限があることが判った。建ぺい率は30%だと聞き、30坪の家なら土地は100坪が必要になる。さらに隣地との境界の距離制限もあり、100坪程度だとかなり窮屈になると言わざるを得ない。さらに、土地と建物を計算すると、手持ち資金が厳しい。ちょっと無理かと諦めた。
「少し山手に入れば物件はありますよ」とも云われたが、やはり、琵琶湖の畔が良い。せっかく、琵琶湖の近くに来るのだから、山手にあるような別荘地なら、ここじゃなくてもいい。むしろ、長野や山梨の方が、中央アルプスや南アルプス、富士山などを眺めて暮らせるのでよほどいいと思ってしまう。せめて道一本くらい入っても、歩いてすぐに湖岸に出られるところが良い。
そう思い、別の不動産屋に行く。名誉のため、どこの不動産屋かは書かないが、マキノ駅近くの店に入るなり、ちょっと不愛想な人が出てきて、「住民票はありますか?ない人にはここらの土地は売れません。お帰り下さい。」とかなり高圧的な対応をされた。人口減少に陥っている高島市に、転入者を迎えることは意義あるはず。けんもほろろな対応は、高島市の印象を悪くするだけではないのか?それ程儲かっているような店には見えなかったが・・
転居した後で聞いたのだが、その店は、外から来る人に対して強い偏見を持っているとの事で、不動産屋の仲間内でも困った存在らしい。どこの業界にもそういう人はいる。

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