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18.カルディア・ストーン [AC30第1部グランドジオ]

「ユービックで調べたところ、あのライブカプセルが100年以上耐えうる機能を維持できているのは、あの中に、独立したエナジーシステムを持っているという事なんだ。どんなシステムかは、判らなかったが・・きっと、あの中に、小さなカルディナ・ストーンがあると思うんだ。」
キラが言うと、アランが言った。
「それをライフエリアにもってくれば・・と言うわけか・・・。」
「そうさ・・・だが・・確信はない。どう調べても、ライブカプセルのエナジーシステムのデータは見つからなかった。ユリアも知らないそうだ。だから、確信はない。だが、可能性はある。」
「どっちにしても、あの卵をほっておくわけにはいかない。まずは、明日、卵のところへ行くしかないだろう。」
「ああ・・。」
キラとアランは合意した。だが、ハンクとプリムはまだすべてが理解できたわけではなかった。それより、ライフエリアが10年で機能停止し、滅亡すると聞いて、酷く落胆してしまっていた。
「ハンク、プリム、今日ここで知ったことは全て僕たちだけの秘密にしておいてほしいんだ。」
キラが言う。ハンクとプリムは少し抵抗するような表情を見せて言った。
「でもさ・・そんな大変な事・・秘密にするって・・・。」
「皆が知ってどうなる?あと10年でここが使えなくなるから、その時は、皆で地表に出ようって言うのか?ウルシンやグロケンの餌食になるだけだし、灼熱と極寒の中でどうやって生きていく?ここでそのまま生きていくこともできないんだぞ。・・・俺たちは・・選ばれし者、人類の希望なんだろう?」
アランが強い口調でハンクを責めるように言った。
「だけど・・せめて、導師様に相談したらどうだろう。」
プリムは言った。
「導師様か・・・。」
アランは何か思いがあるように呟く。
「導師様にキラが調べた事を、全て話そう。その上で、あの卵をどうするか相談した方が良いよ。」
ハンクもプリムに同調する。
その様子を見て、キラが二人に訊いた。
「なあ・・二人は、導師様に会ったことはあるかい?」
意外な質問に、二人は真顔で答えた。
「毎日、ビジョンを通じて話を聞いてるじゃないか。」
「ああ、確かに、ビジョンを通じて顔は見ている。だが、あれは本当に導師様なんだろうか?」
アランが言った。アランもキラと同様に、導師の存在に疑問を持っているようだった。
「毎日、交代で食事を運んでいるし・・・大事な事は今までもすべて導師様に相談してきただろ?・・」
プリムは、そう言いながらも少し確信が無くなってきていた。
「まあ、いいさ。導師様の事はまた話そう。それより、導師様に全て話して解決すると思うかい?」
キラがもう一度二人に訊いた。
「ああ・・導師様なら・・きっと、何か良い知恵を授けて下さるだろう。」
ハンクが言うと、すかさず、アランが言う。
「どんな?生き残る方法を教えてくれるか?どうやって、エナジーシステムを回復する?もし判っているなら、もっと前に教えてくれてもいいじゃないか。それに、禁断のエリアの事だって。あそこにあれだけの武器があるんなら、虫たちに襲われることだってなかった。俺の親父だって・・・。一族を守り導いてくれるのが導師様じゃないのか?なのに、今まで、どれだけ多くの人が命を落としたか・・・何が、導師様だ!」
アランは、父を亡くした時から、導師に対して反感を持っていたようだった。
ハンクとプリムはアランの気持ちは理解できた。

「なあ、みんな、今は、全て秘密にしておこう。まずは、明日、ライブカプセルに行ってからだ。あのカプセルに代わりのエナジーシステムがあれば、希望は開ける。それから、みんなに話しても遅くないだろ。カルディナ・ストーンがあれば、禁断のエリアも復活できるかもしれない。そうすれば、もっと素晴らしい未来が待ってることになる。それまでは、知らせない方が良い。」
キラの提案に、ハンクもプリムもアランも同意した。

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