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2日目、③大浦到着 [琵琶湖てくてく物語]

大浦地区に到着した。
ここまでざっと10km。
ここで紹介したいお店がある。「みつとし本舗」だ。
実は、大浦は、移住を決めた頃、初めに購入を予定していたログハウスがあった。広い敷地、綺麗なログハウス、手ごろな値段で九割がた購入を決めて、内覧もさせていただいた。だが、ちょっと狭かった。もう一部屋あれば・・と断念した経緯があった。
その時、この「みつとし本舗」を見つけた。
「ピーナッツせんべい“丸子船”」オンリーの店。
この地区の旧家の佇まいで、一見、お店とは思えない。黄色い看板と暖簾はあるが、今時の店内が見えるような構造ではなく、ちょっと入るのに勇気がいる。だが、入ってみると何とも言えない温かみを感じた。150g入り500円(税込540円)を購入する。素朴な味わいに納得。実は、以前、私はピーナッツアレルギーだった。ナッツ類の入った菓子を口にすると、咳が止まらなくなり、気管支喘息のような症状が出ていた。だが、ピーナッツは好物。ジレンマと戦いながら食していた。不思議なことに、ここのピーナッツせんべいでは、アレルギー症状が出なかった。そんな不思議なことがあるとは思えないし、恐らく医学的にはあり得ないことなのだろうが、いずれにしても、この店の「ピーナッツせんべい」は大丈夫なのだ。以来、思い出すたびに、寄って購入している。

さて、お昼時となった。
大浦川に架かる橋を渡り、直ぐ、右手の川沿いを歩く。天気も良く、風も穏やかなので、湖岸で、コンビニで仕入れた昼食を食べることにした。
貸しボートの看板がある岸辺の道を進むと大浦園地に出る。まずはトイレ。公園のトイレを拝借する。
丸石を積み上げた湖岸に座り、昼食を取る。
湖に向かって左手には大浦漁港、右手は先程歩いてきた湖岸道路が見える。
若い頃から、外出の際、妻は、大きめの水筒にコーヒーと麦茶を持って出ることに決めている。勿論、若い頃は「節約」のためだった。自動販売機で飲料を買うのがどうにも無駄だと感じていたようだ。今回、琵琶湖を歩くことにした時も、この習慣は変わらない。冬なので、温かいコーヒーは欠かせない。
一息ついて、出発。
本当なら、この先菅浦へ向かいたいところだが、その先の道がないため、ここはやむなく、山越えの道を選ぶ。
大浦の街中で通り過ぎ、北へ向かうと、「北淡海・丸子船の館」がある。
ここ大浦は、日本海で取れた海産物を始め、北国諸藩からのたくさんの物資を敦賀で陸揚げし、深坂峠を越えて塩津港へ、再び船積みして湖上を大津・堅田まで運び、陸揚げして京都、大坂へと運部という水運の一翼を担っていたようだ。
琵琶湖には大小48の港があったとも言われているが、敦賀からのルート上では、塩津と大浦・菅浦は要衝と言える。〇の印を染め抜いた帆を掲げた荷船が、琵琶湖を行き交う姿はきっと勇壮だったに違いない。ここで解説を見る限り、琵琶湖の水運が盛んだったころ、やはり「水軍」がいたようだ。正当な運搬船だけでなく、それを襲う輩もいたらしい。そうなる背景には、貧富の差がある。海津の石積みを見ると、改めてそう感じる。光と影、富める者と貧しき者、支配する者と虐げられる者、人の世は難しい。皆が助け合い、寄り添いあうような社会は幻想か・・。
そういう思いを浮かべながら、「丸子船の館」を素通りして、国道303号線の大浦口へ向かう。

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