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2日目、②海津大崎を歩く [琵琶湖てくてく物語]

「海津大崎の桜並木」は、驚くほど有名だ。もちろん、この時期に桜の姿はない。転居してきたばかりの頃、春真っ盛りの平日に立ち寄った。交通規制がなかったので、車で入って行ったが、失敗した。ここから先、道路幅はかなり狭い。なおかつ、無遠慮な駐車車両もあって、かなり渋滞していた。だからと言って、反転して戻ることもできない。桜の花を見るには良いが、運転する身には辛い想い出しかない。
冬場のここは、ほとんど車も通らず、人影はない。のんびり歩くにはちょうどいい。
歩き始めて直ぐのところに、「義経の隠れ岩」なるものがある。
文治3年、都落ちした義経が北陸へ向かう途中、身を隠していたとの表記があった。さほど大きくない岩なのだが、身を隠すほどのところは想像しにくい。ただ、そうした伝説が残っているということは、何らかのエピソードがあったに違いない。
再び歩き始めると、その先に「海津大崎港」と「大崎寺」に着く。今回は、素通りする。
高島へ移住したばかりの頃、ここへ来た。
その時、「西近江七福神巡り」を知った。市内にある寺社7カ所に七福神が割り当てられていて、台紙を購入して、まず、ここ大崎寺で御朱印を貰った。それから、唐崎神社(マキノ)・西行寺(今津)・行過天満宮(今津)・正傳寺(新旭)・玉泉寺(安曇川)・白髭神社(高島鵜川)を回り、あっけなくコンプリート。
一番印象に残っているのは、安曇川町田中にある玉泉寺。
立派な山門をくぐると、右手に「五智如来石仏」が鎮座している。鵜川にある48体阿弥陀仏と同じ造りで2m弱の大きさ。歴史を感じる。ただ、それよりも強いインパクトは、この寺の御住職。ふらりと参拝に訪れた私たちを温かく迎えて下さり、仏教の教えを講釈いただき、最後には「忘己利他」の書までいただいた。FBでも発信されていて、活動的。室町時代に再建された寺と聴く。寺巡りは好きだが、なかなか御住職とお話する機会は少なく、今でも鮮明に覚えている。
ちなみにいただいた「忘己利他」の書は、リビングの壁に貼ってある。「もうこりた」と読む。「我を忘れ、他を利するは慈悲の極みなり」という天台宗・最澄の教えとのこと。自我が強い私にはなかなか難しい。いらいらした時やむしゃくしゃした時、その書を見て反省している。元来、神仏を信じるほうではない。生家は「浄土真宗」だったが、葬式や法事以外にはあまり考える事もない。最近は、怪しげな新興宗教などに関連して事件も多く、そういうことを考えない様な風潮も強い。ただ、今回、玉泉寺の御住職から話を伺ってみて、日本の仏教は、まさに「教えの道」なのではないかと思うようになった。遠く、ヤマトが成立し、日本民族というかたまりが生まれてから、人々が日々の暮らしの中で得た叡智が詰め込まれているような気がした。

また、話が脇道にそれた。

さて、海津大崎を過ぎると、トンネルを5つ抜けることになる。短いトンネルでさっさと歩く。その先には、二本松キャンプ・水泳場。そこから先は、長浜市となる。
ここまで余り書かなかったが、歩いていて困ることの一つに「トイレ」がある。街中であれば、公園やコンビニで済ますこともできるが、見つからない時もある。実は、この行程で、この辺りで大変困った。二本松キャンプ場を見つけた時、ほっとしたのだが、冬場は閉鎖されていて結局我慢することになった。
奥琵琶湖の景観が素晴らしい。入り組んだ湖岸、澄んだ水、何より民家がほとんどなく、自然そのものの中にいると感じられる。
しばらく行くと、「ロテル・デュ・ラク」。かなり高級そうなホテルだ。その先は別荘地、奥琵琶湖老人ホームを過ぎ、いよいよ、大浦地区に入る。

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