SSブログ

5日目⑥愛知川 [琵琶湖てくてく物語]

今回は、愛知川に掛かる「愛知川橋」をゴールとした。
この「愛知川」。豊橋から来た私にはちょっと不思議な読み方だ。
最初、「あいちがわ」だと思っていて、どうして、こんなところに愛知などという名がつく川があるのか不思議でならなかった。
だが、ちょっと調べてみると、これは、当て字のようだった。古くは「恵智川」と書いたようだ。広重の木曽海道六十九次の66番目の宿場として描かれたものにその名があるようだ。愛知県とは無関係のようだった。
愛知川は、鈴鹿山脈の雨乞岳を源流に永源寺町から琵琶湖まで注ぐ川である。東近江市や彦根市はその下流にできた扇状地にできた町と言える。
さて、最寄り駅は能登川駅のはずだがと、地図を調べてみる。まだ、かなりの距離がある。GoogleMapで経路を調べると、田んぼの中の道を進むことになりそうだった。
それならばと、愛知川の右岸を歩くことにした。すぐのところに橋があったが、工事中で通れず、そのまま進む。先ほど触れた「新海町」の南側の土手を歩いていく。川岸の土手の両側に樹木が鬱蒼と茂り、森の中を歩いている感覚になる。その先は、田附町。何だか戻ってきているようだった。
ずっと、土手の道を歩いていても味気ないので、脇の道を降りて少し集落の中を歩くことにした。区画整理がされた圃場の一番隅に集落がある。ほとんどの家に大きなガレージや納屋がある所を見ると、この周囲の圃場を管理している農家が多いようだった。途中、信行寺の前を通る。ここは古そうだった。周囲にもいくつか寺や神社もあるので、土手沿いはかなり古い集落なのかもしれないが、おそらく、住民が集まってきたのは、干拓事業のあとではないかとも思えた。
再び土手に上がり、進むと、橋が見えた。ちょっと今自分が居る場所が判らなくなってGoogleMapを開いてみた。この橋を渡らないとさらに遠くなりそうだった。
橋の名は、葉枝見橋。橋を渡る。愛知川を渡ると彦根市から東近江市へ入ることになる。橋を下ったところが、阿弥陀堂町。道路を挟んで、川南町。
それにしても、小集落の中に、寺と神社が必ずあるのは不思議だ。日本という国は、それ程信心深い国だったのかと思い知らされる。自分自身、観光で寺や神社に行くことはあるが、暮らしの中に根付いているとは言い難い。若い世代も同じなのではないだろうか。いつまで日本人は、神や仏を大事にしていたのだろうかと思う時がある。
少集落を抜けると田んぼの中を一直線に走る道路を歩く。
山路という交差点を左折すると、遠くに高い建物が見えた。おそらくあの辺りに駅がある。
かなり疲れが溜まってきている。
歩道を歩きながら、ずっと無言だった。
スポーツセンター前という看板の信号のところまで到達するとようやく住宅地に入った。振り返ると、「びわ湖よし笛ロード」の看板があった。今歩いてきた道はそういう名前だったのかと初めて知る。それにしても、ここまで来ると琵琶湖ははるかに遠い。ここらに住んでいる人には琵琶湖は余り身近とは言い難いのではなかろうか。
整然と並んだ住宅が続く。
能登川中学校西の信号を右折し、進む。
林中央公園に着く。入口に、パルテノン神殿のような(?)建物がある。
以前、ニュースで、この公園の冬のライトアップの事を見た事がある。まだやっているなら見たいとも思ったが、寄り道している時間はなかった。
能登川駅は目の前。
最後の力を振り絞って、駅へ向かう。

nice!(9)  コメント(0)