SSブログ

6日目④ワインディングロード [琵琶湖てくてく物語]

その先も同じような山道がしばらく続いたが、次第に視界が広がってきた。徐々に低くなり、水面が近くなった。
大きなカーブを曲がったところで、前方におしゃれな建物が見えた。
「KaiserBergびわ湖」の看板、下の方に「レッドバロン」と書かれている。会員制リゾートクラブとあった。
ちょっとググってみたら、カフェやバーベキューサイトがある日帰りのリゾート施設と判った。レッドバロンが運営しているようで、ライダーの憩いの場となっているようだ。
確かに、今まで歩いてきた道は、バイク乗りには楽しいワインディングロードなのだろう。我が家の前の湖周道路も、休日ともなれば、多くのバイクが走り抜ける。交通量が少なく、信号もほとんどないので、きっと楽しいだろう。
ただ、バイクメーカーや販売店にお願いしたい。バイクの騒音についてもっと考えてもらえないか。日本のバイクの騒音規制は外国に比べて厳しいと聞いたが、「えっそうなの?」と思うほど、規制をすり抜けているバイクが多いように思う。
エンジン剥き出しのバイクは、排気音だけでなくエンジン音も大きいし、マフラーを改造しているバイクもよく見かける。最近の乗用車は、エンジン音や排気音はかなり抑えられているのに、バイクはいまだに変わらない様に思う。
無意味にエンジンをふかす不届き者に限らず、まっとうにバイクを愉しむ人達の乗るバイクも、まだまだかなりの排気音。自然の静けさを切り裂くようなバイクの音には閉口する。
以前にも書いたが、トンネルの中では、トラックや乗用車の音に比べて、バイクの騒音は異常ともいえるほどだ。バイクという構造自体が、もはや騒音を防ぐことはできないのだと思う。(カウリングをつけているバイクも増えてきたが、排熱のため完全に覆うのは無理だろう)
世界的に、乗用車もガソリンエンジンから電気モーターへ置き換わろうとしている。
バイクも、電動化を進めて行けば、騒音問題は解消できると思う。ただ、そうなると、今バイクを愉しんでいる人には魅力半減なのだろうが。しかし、どうにか、静かなバイクを作ってもらいたいと願う。
と、思っていると、中からバイクが2台出てきた。女性ライダーみたいだった。
エンジンを数回ふかし、大きな排気音を残して、走り出す。私たち二人は、その瞬間、耳を塞いだ。すぐ脇をすり抜けたバイク音はやはり我慢ならないものだった。

もう少し進むと、湖畔に突き出たような土地に、ログハウスが建っていた。
「シャーレ水が浜」と看板があった。
道路を隔てて、山側にも「369TerraceCafe近江八幡」というレストランらしきものがあった。
駐車場はいっぱいで、店の前にも人が並んでいる。
きっとSNS辺りで、『映える』ポイントとして紹介されたのだろう。
今回は。店内に入って楽しむ余裕はなかったので、外のテラス席でちょっと休憩した。
そこから見える琵琶湖もとても美しかった。向かいに見える山は、比良山系か、比叡山か、いずれにしても、湖面から立ち上がる山並のように見えて、なかなか良い。
琵琶湖岸は圧倒的に平地が多く、高台から琵琶湖を望めるところも少ない。そういう意味で、この「シャーレ水が浜」は魅力的な存在だと思う。特に、琵琶湖の対岸の風景は本当に素晴らしい。もう少し季節が進んで、比良山や比叡山に雪が積もると、さらに美しいだろうと想像する。今度、ゆっくり訪れたい場所の一つだ。

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー