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6日目、③山道を歩く [琵琶湖てくてく物語]

堀切港から先、奥津山の周囲を巡る道は、今回の「琵琶湖てくてく歩き」の中では、マキノから木之本と同じくらいの山道だ。いや、マキノから木之本までは、幹線道路で歩道もあって、車の通りも多かった。
ここは、殆んど車の通りもなく、歩道も整備されていないところばかり。木々が茂って、日差しを遮って暗いところもある。登ったり下ったり、右や左へ曲がる。地図で確認していた以上にワイルドな道だった。琵琶湖の湖面は遥か足元に見える程度の高いところもある。
道路わきに生えている草木を見ながら歩く。広葉樹が多い。おそらく、リスや猿、タヌキなどの野生動物も多いだろう。
下りきったところで前方に建物が見えた・・と思ったら、工事の船だった。
再び、登り道。右手前方には沖島が見えている。思ったよりも沖島は近いように感じた。
左に曲がったところで、美しい砂浜が広がる「休暇村・近江八幡」に着いた。
脇道に逸れて、下ると広い駐車場があって、そこを横切ると芝生広場があって、その先には砂浜がある。
ちょっと遅くなったが、ここで昼食休憩することにした。
夏はずいぶんにぎわうに違いない。広い芝生もあって、のんびりできそうだ。
芝生広場の端に置かれているベンチに座り、コンビニで買ったおにぎりを食べる。ちょっと北西風が強くなってきて寒い。
「ねえ、あそこまでならカヌーで行けるんじゃない?」
おにぎりを食べながら、唐突に妻が言い出した。
目視の範囲では確かにそれほど遠くない。吹き始めた北西風のせいか、砂浜に寄せる波が高くなってきている。沖を見ると所々で白波も見えた。
「波が穏やかな時なら行けるかも・・。」
そう答えたものの、実際、殆んど漕ぐのは私だ。
苦労は目に見えている。それに、多少波が出ただけで、きっとすぐにやめようと言い出すに決まっている。
とはいえ、移住した時、初めての大きな買い物はカヌーだった。
カヌーと言っても、グラスファイバー製の立派なものではない。ゴムボートのように空気で膨らませるタイプ。沈んだり、転覆するリスクは低いのだが、波の揺れには結構弱い。風と波はかなりの注意が必要なタイプなのだが、これまでも夏にはあちこちで愉しんでいる。
初めのうちはおっかなびっくりで、自宅前の萩の浜にカヌーを浮かべ、隣の白浜水泳場辺りまで行くのがやっとだった。
徐々に慣れてくると、南にある「大溝港」に入ってみたり、白髭神社の鳥居の足元へ行ったりした。
以前にも書いたが、横江浜から出て、小さな水路を上ったこともある。歩いていけない、菅浦の浜でも遊んだ。桜の季節に海津大崎にも行こうと思っているのだが、近場でカヌーを出せるところが見当たらず、今のところ未着手。
実のところ、この琵琶湖一周てくてく旅が終わったら、今度はカヌーで一周してみたいとも思っているほどなのだが、かなり無理がある様に思って今のところ、妻には話していない。一度口にすると、妻は、すぐにやろうと言い出すに決まっている。
年齢を重ねて行けばどんどん体力も落ちてできなくなるのは判る。だが、出航した後、どうやってカヌーを持ち帰るか、スタート地点に一旦戻って、次は進んだ先から始めるという方法もあるが、そうなると、琵琶湖を2周するのと同じ。どれほどの体力が必要かと思うと、簡単には始められない。挑戦したい気持ちはあるが・・。まあ、今回のてくてくが終わってから考えよう。

そんなに長居はせず、さっと片付けてから、歩き始めた。

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