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4日目、⑧ゴールの南彦根 [琵琶湖てくてく物語]

いよいよ、南彦根駅に着く。
次の行程のために、近隣の駐車場を探す。やはり、無料というわけにはいかないようだ。とりあえず、西口辺りに停められそうな駐車場を見つけた。次はここに車を停める。
それから、出発地点となる、犬上川、彦根市立病院近隣まで行けるバスを探す。駅まで戻る道のりは結構きつかった。出来れば、ここでは楽をしたい。病院へ向かうバス路線はありそうだった。
さて、今回は・・とスマホで確認。
31,553歩、21㎞。
いやはや、前回よりさらに短い距離になってしまった。
理由は明白だった。自宅を出て、歩き始めるまでのタイムロス。高島の自宅から、長浜までは軽く1時間かかる距離。9時に家を出れば、歩き始めは10時過ぎになり、午前中は2時間も歩けない。午後も早めに切り上げないと日暮れになってしまう。ざっと5時間程度しか歩けないことになるのだ。
計画の段階でのミス。冬は日暮れが早い。そんな単純なことを見落としていた。
それでは、南彦根駅でJRに乗り、長浜駅へ向かう。
電車だとあっという間についてしまう距離。
1日かけて苦労して歩いたことが、とてもか空しく感じられて、電車の中で、終始、無言になってしまった。
そんなことは判っていたはずだし、誰かに自慢するために歩いているわけでもない。褒めてもらおうなんて思っていないが、虚しさが広がっていた。
「あれが彦根城?」
唐突に、妻が口を開く。電車の窓の外に、彦根城が見えていた。
堂々とした威厳を感じるほどの城。
南側に城下町が広がり、北側は、松原内湖を持つ。北(越前)から攻めて来ると、水城で鉄壁の守りを誇り、南(京)から見ると、賑やかな城下とその先には広大な農地。そして、その向こうには、安土の山。これほど理想的な場所があるだろうかと思わせてくれる。
明治の初め、廃藩置県で、彦根県から長浜県、そして犬上県(長浜県)と変更された経緯がある。そして、大津県と合併し滋賀県となり、県庁が大津へ統合された。中世に琵琶湖を囲むように存在した「近江」と現在の滋賀県が重なるのも面白い。
「県民気質」という言葉を聞くことがあるが、そうかなと思うこともしばしばある。私自身、山口県民として生まれたが、やはり、県内でも、周防と長門では随分と風習も違う。知らないことも多い。だいたい、作為的に作られた「都道府県」の縛りは余り大した意味はないように思う。ただ、その地域には独特の文化や風習、言葉が存在し、狭い範囲ならば「〇〇気質」というのはおそらく明確に存在するように思う。
滋賀県に来て、特にそれを感じるようになった。琵琶湖を挟んで東西では随分と経済状況に違いがあるし、近隣市町村とのつながりも違う。高島市に住んでいると、嶺南地域は近い。ここ、彦根に来るには、琵琶湖をぐるりと回って約1時間近く。それに比べて、小浜市なら40分程度、京都だって1時間。距離感が全く違う。そういう中で、本当に「滋賀県民気質」というのが存在するとは思い難い。
彦根駅に着くと、大勢の乗客が降りていく。そして、すぐにたくさん乗ってくる。
米原駅を過ぎると、北陸線。田村駅を過ぎ、長浜駅に着いた。
駅から歩いて駐車場へ向かう。今回もいろいろと考えることが多かった。

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