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7日目⑥名前とは妙なもの [琵琶湖てくてく物語]

腹を満たして元気になった。ゴールまではあと少しだ。
再び、さざなみ街道の歩道を進むと、前方には有名な(?)マイアミ浜がある。
「昭和25年(1950年)頃、戦後の復興に必死になって働いている人々に、安らぎと保養の場を提供できれば…世界的リゾート地であるアメリカフロリダ州マイアミビーチのように…
というのが命名の由来』(マイアミオートキャンプ場ブログより抜粋)だそうだ。オートキャンプ場とデイキャンプがあり、周辺にもレジャーを愉しむための店もある。琵琶湖のレジャーの基地だと言いたいところだが、実はまだ入ったことはない。理由は、その名前。ここが、「アヤメ浜オートキャンプ場」ならきっと利用した。
何だかいかにも「レジャーを楽しんでください」と言わんばかりの名前にはちょっと気後れしてしまう。戦後復興の最中、日本がどんどんアメリカ化していた時代を象徴するような場所にも思えて仕方がない。デイキャンプやオートキャンプは嫌いではない。むしろ、子供が小さかった頃はのめり込んでいた時期もあったくらいだ。だが、この地名には、どうしても、抵抗感がある。
横目で見ながら、マイアミ浜を通過する。すぐ隣に、「アイリスパーク」があった。
この名前には感動した。もちろん、ここにはアヤメ(花しょうぶ)が植えられているのだが、アイリスは、アヤメや花しょうぶ・杜若などの総称を指す言葉なので、ここの地名としてはぴったりだ。今度、花のある5月に訪れようと思う。マイアミ浜もせめて「アイリス浜」ならもう少し行きやすいのではと思うが・・如何に。
その先には、川のような内湖のような場所があった。Mapを見ると、川のように見えるが、上流部分は緑地公園になっていて、殆んど川ではない状態だ。
古地図をみると、野洲川が分流した一つだとわかる。古地図では、野洲川が堤村の下流で三つに分かれて描かれていた。その一つの名残に違いない。野洲川も氾濫しやすい川だったようで、「堤村」などという地名が残っているくらいだから、昔から治水に苦労した地域なのだと思う。
この先で、さざなみ街道が大きく左にカーブをして南へ向かう。
その先に、「鮎家の郷」があった。私たちが歩いた2020年12月には、まだ営業していた。滋賀県で生まれ育った人には、鮎という魚は身近なものなのかもしれないが、海育ちの私には、好んで食する対象とはならない。そのため、「鮎家の郷」には入ったことがなかった。ちょっと寄り道になるが、この機会に入ってみよう。鮎の立派なオブジェ、入口がなんだか少し寂しさを感じる。土産物が多数並んでいるのだが、どれも値引きされている。店員さんも何だか素っ気ない。これだけ土産物を安売りしているのだから、もうちょっと元気があっても良いのではと思いつつ、一回りして出てきた。(この後、閉店の話を聞いたので納得)
ここの跡地にできた「めんたいパーク」には正直驚いた。
「明太子」だけで、あれだけの事業になるというのが何よりも大きい。おそらく、ネーミングの力が大きいのではないだろうか。「めんたいパーク」・・何、それ?とつい突っ込みたくなってしまうので、行った事のある人は必ず説明する。これが宣伝になって、知らぬうちに人を寄せることに繋がっているはずだ。明太子は、嫌いではない。むしろ、好物と言っていい。だが、魚卵の一つに過ぎないわけで、それほど人を惹きつける魅力があるとも思えないのだが、大いに繁盛している。
愛知県にも何カ所か「めんたいパーク」ができていた。幾つか寄ってみたことはあるし、ついつい買ってきてしまった。悔しいけれど、また、買いに行こうと思わせてくれるところがある。歩いた時は、まだ、めんたいパークはなかったので、素通りすることになった。
小さな水路のような場所を渡る。吉川港の看板。
もうその先は、野洲川の大きな河口になっていて、そこを越えれば、守山市になる。

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